第3次世界大戦を語る
私は自宅でテレビを見ている。
地デジ難民なのに、何故か。
すると今まで「ぽっかぽか」を見てたはずなのに、画面いっぱいに高速道路橋が架かっていて、その脇に立つ照明灯の上に女の子がいるんだ。
たぶん女子高校生。
彼女は、彼女の自宅から逃げ出す私を監視しているんだ、高い高い照明灯の上に立って。
だけれど照明灯の輝度が高過ぎて顔が無い。 彼女の顔が無いんだ。
気がついた私は背広姿のまま、夕闇に紛れるようにして林道に向かって走り出す。
怖いんだ、その娘が、 ひとと思われなくて。
林の中に飛び込んで逃げる私は、いつの間にか町はずれの遥かに地平線の広がる荒野を歩いていて、でもきれいな夕焼けだった。
高い空の下、夕暮れ時の荒野で解放された私。
気分がいい。
でも、池袋の駅ビルの地下は汚らしくて、壁という壁には大きなポスターが貼られている、ところ狭しと。
何十枚あるのか…。
薄暗い地下道をポスターに囲まれていると、
いきなり
ドスンとポスターの裏から死体が落ちた。
ひとつやふたつじゃあないんだ。
次々とポスターの裏から死体が落ちてくるんだ。
だから私は友人に警告したんだ、触るな、みんな死んでるぞってね。
若い男女の死体が次々とポスターの裏から落下してくる。
怖くはないんだけどね。
そして柱の裏側のポスターから、今落ちたばかりの死体を見たら、
私だった。