奇跡の歌姫〜森かおり
昨年、年の瀬を間近くした頃の夕刻、私はひとりの歌姫にであった。
川崎市登戸駅前でスタッフォード製の美しいギターを抱え、優しく優しく、慈しむように愛を歌う彼女は、正しく伝統を継承した現代のリアル女性フォークシンガーであり、あの世界的歌手、ジョーン バエズのうまれかわりである。
その澄みきった美しい歌声は、疲れ切り、肩を落として家路を急ぐ現代人の心を深く深く癒し、その小さなからだは、現代の日本人女性が既に捨て去ってしまった大和撫子の容姿と、あくまで穏やかな優しさを想起させてやまない。
つまり、森かおりは歌姫であると同時に、懐かしくも愛しい母性なのだ。
この荒廃し、殺伐とした現代日本に、森かおりという名の女性フォークシンガーが登場したこと自体、それ自体が大きな大きな奇跡であることは間違いない。
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ファースト ライブアルバム 「fun×fare」